内視鏡検査
内視鏡検査
一般的な内視鏡とは、太さ0.5~1cm程で先端に小型カメラ(CCD)が内蔵された長いスコープです。このスコープを口、鼻、肛門から挿入し消化管の内腔を観察します。
主に観察する部位は咽頭、食道、胃、十二指腸、大腸ですが、特殊な内視鏡を使用すれば小腸も観察することができます。また、観察だけではなく、疑わしい病変が見つかった際は組織の一部を採取し病理検査に提出します。
医療技術の進歩に伴い、スコープの性能、画質は日々向上しており細かい病変の観察も可能になりました。当院では最新の内視鏡システムや細いスコープでの経鼻・経口胃カメラ、大腸カメラを提供しています。
内視鏡検査を行うことで食道・胃・十二指腸・大腸内に存在する病変を見つけることができます。病変の種類には大きく分けて良性疾患と悪性疾患(がん)がありますが、特に悪性疾患を見つけることが重要となってきます。
消化管内の悪性疾患は早期発見できれば内視鏡的に切除することが可能ですが、進行してしまうとおなかにメスを入れなければなりません。また肝臓、腹膜、リンパ節などに転移があれば切除も難しくなります。
早期がんは症状を伴わないことが多いため、いかに早い段階で内視鏡を行い、病変を見つけ治療に進むかが重要です。
2020年の統計でがん死亡数をみると、胃がんは男性で3位、女性で5位。大腸がんは男性で2位、女性で1位でした。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
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男性 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 | 乳房 | 胃 |
内視鏡の検査を受けることで病気の早期発見・早期治療を行うと、完治する確率が上がります。
40歳以上の方や、以前検査で異常を指摘されたり、気になる症状があるときには、なるべく早めに内視鏡による検査を受けたほうが良いでしょう。
40歳以上で1度も内視鏡による検査を受けたことがない方はおすすめします。
通常、検査自体は15分~1時間程度ですが(個人差があります)、当日の問診や検査の為の準備、鎮痛剤・鎮静剤等を使用するため検査後30分~1時間程度お休みしていただきます。トータルでは2~3時間程度お時間をいただきます。
※組織検査やポリープ切除を行う場合、更にお時間がかかることがあります。
※検査の5時間前から腸管洗浄剤を服用し、大腸の中を空にする必要があります。
一日がかりの検査とお考えください。
内視鏡検査の前には、医師や看護師の指示に従って絶食や特定の食事制限を行う必要があります。一般的には、検査の前日から絶食し、特定の清涼飲料や軽食のみを摂取する場合があります。
内視鏡検査自体は不快な感覚を伴うことがありますが、一般的には痛みは軽度です。鎮静剤や局所麻酔が使用されることがあり、患者の不快感を軽減するために対策が講じられます。
内視鏡検査の所要時間は検査の種類や目的、患者の状態によって異なりますが、一般的には15分から1時間程度です。腸の長さや検査範囲によって時間が変わることがあります。
内視鏡検査後は、麻酔や鎮静剤の影響が残っているため、しばらくの間は安静にしていることが推奨されます。通常、検査当日は運転や機械操作を行わないようにし、食事や水分摂取も少し控えめにすることがあります。
内視鏡検査には一般的に低いリスクが伴いますが、稀に合併症が発生する可能性があります。合併症には出血、穿孔、感染などがありますが、これらのリスクは比較的低いとされています。医師との事前の相談や検査のリスクとメリットの十分な理解が重要です。